09:00 - 09:25 受付
09:25 - 09:30 開会 / 渡邉 祐介 (北里大学)
=== 第1部 === 座長 濱田 敏正(日産化学工業)
ゲル線量計入門と今後の予定
過去の実験データから色素ゲル線量計の低線量領域で吸光度と線量の間に線形性が見られなかった.
そこで本研究では, 線形性が保たれている線量領域まであらかじめプレ照射を行い,
低線量領域を測定できるようにすることを目的とした.
PVA-Iゲル線量計のゲル化剤(ゲランガム)をアガー(κ-カラギーナン・ローカストビーンガム)に
置き換えた場合の線量応答特性について調べた。
近年、ナノコンポジット蛍光ゲル(NC-RFG)線量計を報告した。
本研究では、NC-RFGの光安定性の向上を目的として、組成を既存の系に
網羅的に変えての光安定性の評価、並びに新規分散剤の導入を検討した。
10:30 - 10:45 休憩(調整)(15分)
=== 第2部 === 座長 齋藤 明登(広島大学病院)
頭部を模擬したアクリルファントム(半球+円柱)に水を充填し,その中に直方体ゲルファントムを挿入し固定した.
ファントム材に水を使用することで,治療計画装置の線量計算精度向上が期待できる.
発表当日は脳定位放射線照射End-to-endテスト結果を報告する.
ゲル線量計とフィルムの線量不確かさは、それぞれの論文報告によって算出式が異なり、相反する結果を示した。
本研究では共通の算出式を利用して線量不確かさを導出する新たな手法を提案し、比較評価する。
ポリマーゲル線量計内に標的を模擬した領域をCT画像で識別する目的で、非イオン性造影剤の添加を試みた。
本研究では、造影剤添加による線量応答性と境界部分の経時的拡散の基礎特性を評価した。
治療計画装置でCT値の物理密度変換とMonte Carlo計算を使用して求める物質の吸収線量について,
iPAGATにリン酸水素カルシウムを混ぜた骨等価ゲル線量計についての線量計算の精度検証を行う.
11:45 - 12:45 昼食(60分) (12:30 - 12:45 北里大学研究室紹介(15分))
![](kitasato.png)
12:45 - 13:00 集合写真撮影(15分)
=== 第3部 === 座長 五東 弘昭(横浜国立大学)
有機色素カラーフォーマーを用いた色素ゲル線量計のγ線照射による発色能の評価について。
近年報告されているシリコーンエラストマー(ゴム)をマトリクスとした FlexyDos3D を試作した。
また、日本で入手可能なシリコーンエラストマーを検討した。
ヨウ素ーデンプン反応に代表されるように、ヨウ素は様々な高分子と錯体を形成して発色する。
これまでに報告した PVA-I 以外の組み合わせによる発色の可能性を検討した。
13:45 - 14:00 休憩(調整)(15分)
=== 第4部 === 座長 川村 拓(群馬県立県民健康科学大学)
現在、蛍光ゲル線量計の線量分布測定は、フラットベッドスキャナによる2次元の評価にとどまり、3次元での評価には至っていない。
本研究では、ライトシート方式の断層撮影スキャナによるボリュームデータ取得を試みており、開発の現状を報告する。
PVA-Iゲル線量計を等間隔で回転させつつフラットベッドスキャナにて読み取ることで360度投影データを取得し,
自作プログラムによって再構成した断面像上における線量分布を評価した.
第8回 3次元(3D)ゲル線量計研究会以降に、横浜国立大学への依頼測定により光学CTで測定した3D分布結果の概要を発表する。
昨今、CT画像においても深層学習を用いてアーチファクトの除去が試みられている。
本発表では光CTにおいてノイズ除去によく利用されるdenoising autoencoderを紹介しその適用可能性を探る。
15:00 - 15:15 休憩(調整)(15分)
=== 第5部 === 座長 櫻井 良憲(京都大学)
本研究では、呼吸における重粒子線治療への影響を予測するために、色素ゲル線量計を上下駆動させた状態で重粒子線を照射することにより、
動体に対する照射への影響を線量分布の三次元的な可視化をすることで解析した。
PVA-KIゲル線量計を用いて重粒子線線量分布の三次元的な可視化を行い、過去に当研究室で開発された色素ゲルの結果と比較した。
また、シミュレーションにより、各種ゲルの重粒子線に対する反応性の違いについて考察した。
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に用いられる照射場は中性子とγ線による混在場である。
今後のBNCTの高度化において(1)2次元的評価、および(2)中性子・γ線弁別評価が求められている。
本研究ではPVA-GTA-Iゲル線量計を用いて2次元線質弁別評価を試みた。
本研究室で開発したPVA-KIゲルはホウ砂(ホウ素)を含むため、中性子による感度が期待できる。
本研究では、放医研の所有するNASBEEを用い、中性子照射を行った。
照射された試料の吸光度測定から中性子束に対する検量線の作成を行い、BNCTへの利用検討を行った。
16:15 - 16:30 休憩(調整)(15分)
=== 第6部 === 座長 武村 哲浩(金沢大学)
PVA-Iゲル線量計による電子線の深部量百分率 (PDD) の測定を試みた。
得られたPDDは電離箱で測定されたPDDとよく一致した。
また, 加熱により着色を消去することでPDDを繰り返し測定することが可能であった。
直径165 mmに大型化した色素ゲル線量計により, X線CT装置の管電流変調機構(TCM)が3次元線量分布に及ぼす影響を調査した.
TCMはヘリカルスキャンの重複領域と非重複領域の線量差を低減する作用がある事が判明した.
重粒子線の線量分布測定で注目されているフリッケゲル線量計は、二次元MRIで行うことが一般的である。
本研究では、GRE法を用いたR1値測定により三次元線量データの取得を試みたので報告する。
17:15 - 17:20 閉会
- 第9回3Dゲル線量計研究会(11/28 '20)