### 11/25(土)###
12:30 - 13:00 受付 (発表者は接続・動作確認を行ってください)
13:00 - 13:05 開会 / 渡邉祐介 (北里大学医療衛生学部)
=== 第1部 === 座長 臼井 桂介(順天堂大学保健医療学部)
これまでに報告したゲル線量計は特化したスキャナが必要であり,
これは放射線治療領域のゲル線量計の利用を阻害する大きな要因であった.
我々はX線CT用ポリマーゲル線量計を開発し,その特徴について報告する.
X線CT用ゲル線量計は線量に対するCT値の上昇を利用し、線量分布測定を行う。
本研究では、新しいX線CT用ゲル線量計dGELTMを用いた際の三次元線量分布検証の可能性について評価する。
X線CT用ゲル線量計を利用した三次元スターショットの方法が考案された。
我々はこの方法を国内22台のリニアックで実施し、施設毎、メーカ毎に寝台回転精度も含む三次元照射精度の違いを明らかにする。
本報告ではその結果の中間報告を行う。
粒子線治療装置は光子線治療装置と比較してガントリヘッドが重く,
ガントリヘッドのたわみなどの影響はより大きくなると考えられる.
X線CT用ゲル線量計を利用して陽子線の線束を三次元で画像化を行い、
照射中心の検証を三次元的に行った結果を報告する。
画像誘導高線量率小線源治療(IGBT)においてゲル線量計の有効性が示された一方で、
画像化にMR装置を利用する必要があるため利便性の低さが懸念される。
そこでX線CT装置に対応させつつ、アプリケータの刺入に耐えうるX線CT用ゲル線量計を利用し、
これまで困難であったIGBTのE2Eを実現しつつ、利便性が向上させた。
本研究では三次元線量分布から停留位置の再現性およびエラー検出能を評価した。
X線CT用ポリマーゲル線量計を用いた三次元スターショット試験時に取得する
CBCT画像の撮影条件は条件によっては解析結果の不良となるケースがある.
本研究ではCBCTの基準条件を設定し,これに対して8パターンを比較することで
撮影条件に対する解析結果の堅牢性について検討した.
14:35 - 14:50 休憩(調整)(15分)
=== 第2部 === 座長 原田 和正(駒澤大学医療健康科学部)
近年、画像誘導により呼吸性移動に対する標的位置を識別し照射範囲を移動させる動体追尾放射線治療が注目されている。
本研究では、ポリマーゲル線量計にX線CT用造影剤を添加し、
模擬標的として配置した標的内包ポリマーゲル線量計により動態追尾精度の3次元的評価を試みた.
蛍光シリコーン線量計は放射線治療において三次元的な線量分布の検証ツールとしての利用が期待されている。
本研究では新たに身体への透過性の高い近赤外蛍光プローブを用いた蛍光シリコーン線量計の開発を試みた。
現在の蛍光ゲル線量計に用いられている蛍光プローブは高価である。
そのため蛍光ゲル線量計における新規蛍光プローブの合成を試みた。
新規蛍光プローブは、安価かつ高感度で、線量計に使用できる可能性がある。
炭素線治療の治療計画において用いられる生物線量を直接評価できるゲル線量計の開発を目的として、
蛍光ゲル線量計にTHPCなどの有機物質を添加し、炭素線のRBEにより近い感度特性を持つ蛍光ゲル線量計の模索を行った。
温熱療法装置のQAは、温度測定を三次元的に行う必要がある。
そこで、ゲル線量計の温度特性を評価し、三次元温度分布測定を考案することを目的とした。
今回の実験では、PVA-Iゲル線量計における還元剤の濃度および添加物を変化させた場合の比較検討を行う。
16:05 - 16:20 休憩(調整)(15分)
=== 第3部 === 座長 小林 毅範(帝京大学医療技術学部)・高梨 宇宙(理研)
京都大学複合原子力科学研究所では共同利用研究の一環としてゲル線量計に関連する研究も受け入れてきている。
これまで本研究所で実施されてきたゲル線量計研究について、利用設備・装置、実験手法等を紹介する。
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の品質保証(QA)の高度化を目的としたゲル線量計の開発のために、
線量率依存性および自動酸化を低減したLCVミセルゲル線量計を作成し、中性子特性評価を行った。
開発した Optical-emission computed tomography (Optical-ECT)システムは、
回転ステージに固定された蛍光ゲルサンプルに励起光を照射し、任意の角度で回転させながらCCDカメラで収集する。
各角度の蛍光画像は、フィルタ補正通投影法によって再構成され、3次元データを取得し、
これにより従来よりも高空間分解能を実現できた。
ゲル線量計の迅速な線量評価や、反応ダイナミクスの解明を目的として、
発光検出パルスラジオリシス(PLPR)法を開発した。
PLPR法の測定装置と計測方法の詳細を報告する。
放射線治療の高度化に生体等価材料中のリアルタイム線量測定が必要となる。
ゲル線量計は有望な選択肢であり、蛍光ゲルは特に速い反応時間を持つと期待される。
本研究では蛍光ゲルを用いたリアルタイム測定を試みた。
17:35 - 17:45 集合写真撮影(10分)
19:00 - 21:00 情報交換会
### 11/26(日)###
8:45 - 9:00 受付 (発表者は接続・動作確認を行ってください)
=== 第4部 === 座長 川村 拓(群馬県立県民健康科学大学診療放射線学部)
NIPAMゲル線量計によるX線線量測定において、MgCl2を添加することで
MRI測定におけるR2値が増感効果を示すことが知られているが、
低エネルギーX線における増感効果については報告例がない。
本研究では実効エネルギー10, 20, 30 keVのX線に対する応答におけるMgCl2添加の影響を調査した。
軟X線照射したアラニン線量計をESRイメージング測定し、ラジカル分布を可視化した。
また、ラジオクロミック線量計に電子線や軟X線を照射し、断面をレーザー顕微鏡で観測した。
測定例とエネルギー付与について考察する。
我々はこれまで in-air readout 光学 CT (IAR-OCT) の光路シミュレーション、製作、屈折率測定等を行ってきた。
講演では IAR-OCT 開発の現状と今後の開発計画について紹介する。
同じ治療計画で照射したPVAーIゲルを異なったピーク波長の光源を用いて解析し
その違いを見た結果を報告する。
光学CT装置を自作するにあたり,カメラや光源など使用部品の性能に関する基礎的な検討を行ったので,
実際にPVA-Iゲル線量計を読取った結果とあわせて報告する.
10:15 - 10:30 休憩(調整)(15分)
=== 第5部 === 座長 濱田 敏正(日産化学株式会社)
PVA-KIゲル線量計に特化した白色有機EL光源とマクロレンズを使用したデジタルカメラを組み合わせた新たな測定システムを構築した。
X線照射したPVA-KIゲルを本システムで撮影し、撮影した画像をRGB値に変換し、変換したRGB値と吸収線量との関係を明らかにした。
PVA-Iゲル線量計による3次元線量分布計測に影響を及ぼす可能性のある因子の中で,
X線に対する水等価性および発色の経時的拡散について検討した.
本研究では直径8cmの円柱状PET容器内に封入したPVA-Iゲルに対して、
以下の(1)〜(3)(1クール)を複数回繰り返すことで、反復利用性を評価したので報告する。
(1)臨床のSRTを模擬した照射,(2)開発した光学CT装置での解析,(3)アニーリング
肝臓がんに対する定位放射線治療では,肝動脈化学塞栓療法により腫瘍周囲に注入された
油性ヨード造影剤(リピオドール)を指標として位置照合されることがある.
しかし,ヨウ素のK吸収端によりCT値が上昇するため,治療計画において線量計算誤差が懸念される.
本研究ではPVA-Iゲル線量計のヨウ素含有率を増加させ,ヨード造影剤中の線量計算をシミュレーションした.
PVA-GTA-Iゲル線量計に水和電子捕捉剤(硝酸塩)を添加した場合の線量応答への影響を報告する。
本研究は,PVA-GTA-Iゲルと独自開発した光CTシステムを用いて,
拡大ブラッグピークを有する80 MeV陽子線の線量分布を,線量率依存性や
LET依存性等の影響を考慮して評価することを目的とする.
12:00 - 12:10 第13回研究会案内(10分)
12:10 - 12:20 集合写真撮影(10分)
12:20 - 12:30 閉会
- 第12回3Dゲル線量計研究会(11/25-26 '23)